◎エジプト経済は長年にわたる政府の緊縮財政、パンデミックによる観光業の低迷、ウクライナ侵攻などの影響により大きな打撃を受けている。
エジプト政府は2日、レギュラーガソリンを値上げすると発表した。
石油省によると、全国のレギュラーガソリンは2日からリッター0.75~1エジプトポンド(約3.3~4.5円)値上がりするという。
この値上げは他の商品やサービス価格を押し上げると予想されている。ただし、人や物資の輸送に最もよく使われるディーゼルの価格は据え置かれる。
エジプトはこの数カ月間、恒常的な物価上昇に悩まされている。先月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で26.5%増となり、過去最高を更新した。一部地域の食品価格はこの1カ月で50%近く上昇している。
エジプト経済は長年にわたる政府の緊縮財政、パンデミックによる観光業の低迷、ウクライナ侵攻などの影響により大きな打撃を受けている。同国は世界最大の小麦輸入国であり、そのほとんどをロシアとウクライナから輸入していた。
政府は昨年12月、国際通貨基金(IMF)から30億ドルの融資を受けることで合意した。シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領は融資を受けるために為替レートの自由化や燃料補助金の削減など、IMFが求める財政健全化策を受け入れた。
エジプトはこの取引で最大140億ドルの融資を受けることができる。
燃料費の高騰は低中所得者層の生活を直撃する可能性が高い。そのほとんどが燃料やパンなどの基本的な商品に対する政府の補助金に長年頼ってきた。
公式統計によると、エジプト国民の30%近くが貧困状態にある。