◎独裁者のルカシェンコ大統領は2020年8月の不正大統領選で得票率90%を獲得したと主張し、抗議デモを弾圧した。
ベラルーシ検察は27日、リトアニアに亡命した野党指導者らに長期刑を求刑した。
報道によると、検察はリトアニアへの亡命を余儀なくされたチハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏と野党活動家1人にそれぞれ禁固19年と罰金刑を求刑したという。
また検察は他の野党指導者3人に禁固12年を求刑した。
チハノフスカヤ氏ら5人は首都ミンスクで政権転覆、過激派組織の創設・指導、暴力の扇動、国家安全保障を脅かした罪で起訴され、欠席裁判にかけられている。
独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は2020年8月、不正大統領選で得票率90%を獲得したと主張し、抗議デモを弾圧した。
チハノフスカヤ氏は27日、SNSに声明を投稿した。「ルカシェンコ検察は正義を追求せず、政権に反対する私たちを叩きたいようです...私たちは民主主義を確立するまで戦い続けます」
西側諸国は2020年の大統領選の結果を認めていないが、ルカシェンコ氏はプーチン(Vladimir Putin)露大統領の支持を受け、6期目をスタート。抗議デモを厳しく取り締まった。
人権団体「ビアスナ人権センター」によると、デモ参加者3万5000人以上が逮捕され、数千人が残酷に殴打され、数十のメディアやNGOが閉鎖を余儀なくされたという。
検察はベラルーシで最も著名な活動家であり、昨年ノーベル平和賞を受賞したビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏にも禁固12年を求刑している。
チハノフスカヤ氏は次期大統領の有力候補であった夫のチハノフスキー(Siarhei Tsikhanouski)氏の代わりに大統領選に出馬し、当局の弾圧が始まった直後にベラルーシを離れた。
チハノフスキー氏は2020年に拘束され、禁固18年を宣告された。
ミンスク地裁は27日、チハノフスキー氏が刑務所の規則に違反したとして、刑期を18カ月延長した。
チハノフスカヤ氏は声明の中で、「夫を含むすべての政治犯が地獄から解放される日を心待ちにしている」と述べた。
ビアスナによるとベラルーシで獄中生活を余儀なくされている政治犯は1500人近くにのぼる。