◎イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この8年で兵士や民間人など少なくとも16万人が死亡。子供を含む推定1000万~2000万人が飢餓に直面している。
イエメン、首都サナア、シーア派武装勢力フーシの戦闘員(Getty-Images)

国連人道問題調整事務所(OCHA)は27日、イエメンの市民数千万人を支援するための資金調達プログラムについて、これまでに約12億ドルの支援を確保したと発表した。

国連は内戦で荒廃した同国の2023年の人道支援活動に43億ドル(約5560億円)を必要としており、現在の調達額はこれを大きく下回っている。

イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この8年で兵士や民間人など少なくとも16万人が死亡。子供を含む推定1000万~2000万人が飢餓に直面している。

OCHAはイエメンの人道ニーズを「衝撃的」と評し、「恐ろしい数の市民が飢餓に直面している」と指摘している。

グテレス(Antonio Guterres)事務総長はジュネーブで開催されたハイレベル会合で「イエメンの人々は支援に値する。しかし、それ以上に、彼らは永続的な紛争から抜け出す確かな道と、コミュニティおよび国家を再建する機会を得る権利を有している」と述べた。

OCHAのグリフィス(Martin Griffiths)事務次長(人道問題担当)は「現時点で総額12億ドルの支援申し出を受けている」と明らかにした。

またグリフィス氏は、「国連は必要な資金を確保するための活動を続ける」と述べた。

一方、イエメンで活動する慈善団体は国連の訴えにもかかわらず、支援額が12億ドルにとどまっていることに不満と怒りを表明した。

ノルウェー難民委員会(NRC)のイエメン担当は、「国際社会は今日、岐路に立たされているイエメンを見捨てた」と非難した。「支援額は不十分であり、国際社会はある種の人間は他の人間より価値が低いというシグナルを発しているようです」

赤十字国際委員会(ICRC)は「資金不足はイエメンの人道的苦境を悪い方へ悪い方へと押し出す可能性がある」と警告した。

このハイレベル会合はスウェーデン、スイス、国連が共催し、ジュネーブの国連欧州本部で開催された。

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