◎ラジオジャーナリストのゾゴ氏は先月、首都ヤウンデの警察署で正体不明の集団に拉致され、5日後に遺体となって発見された。
カメルーン政府は24日、首都ヤウンデで先月ラジオジャーナリストが殺害された事件に関する国際メディアの報道に怒りをあらわにした。
政府報道官は仏紙ルモンドと国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」がこの事件に政府高官が関与していると報じたことを非難した。
AFP通信によると、この事件に関して政府が公式にコメントするのは3週間以上ぶり。
ラジオジャーナリストのゾゴ(Arsène Salomon Mbani Zogo)氏は先月、ヤウンデの警察署で正体不明の集団に拉致され、5日後に遺体となって発見された。RSFによると、ゾゴ氏の身体には拷問を受けた跡が残っていたという。
それから2週間後、ヤウンデ在住の有力実業家が殺人に関与したとして逮捕された。
AFPによると、この実業家は複数の政府高官や大臣とつながりを持っていたという。
RSFは23日、「警察はエッソ(Laurent Esso)法相が事件に関与している可能性があるとして捜査を進めている」と報告した。エッソ氏は1996年から法相を務めている。
ゾゴ氏は民間ラジオ局を運営し、その番組のひとつでパーソナリティーを務めていた。
この番組は40年以上カメルーンを統治するビヤ(Paul Biya)大統領の圧政や汚職を厳しく批判し、人気を集めていた。
ビヤ氏は現在90歳、世界最高齢の大統領である。