◎ブルキナ北部を含むサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
ブルキナファソの軍事政権は20日、北部地域で先週発生したイスラム過激派によるテロ攻撃の死者が51人に達したと発表した。
軍政の報道官によると、過激派は先週、北部地域に配備された陸軍の部隊を急襲したという。
過激派は2つの地区でパトロール中の部隊に待ち伏せ攻撃を仕掛け、少なくとも51人が死亡、多くが負傷し、市内の医療機関に搬送された。
ブルキナ北部を含むサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっており、同国で2015年以降の紛争に巻き込まれ難民になった民間人は200万人に達し、1万人以上が死亡したと推定されている。
国連はこの地域の人道状況が劇的に悪化し、飢饉を引き起こす可能性もあると警告している。
過激派の暴力は国民の怒りと政府への不信感を増幅させ、昨年だけで2度軍事クーデターが発生する事態となった。
昨年9月のクーデターで旧軍政を追放したトラオレ(Ibrahim Traore)大尉は「テロリストの大群に占領された領土を征服する」と宣言したが、暴力の波に圧倒されているように見える。
ブルキナの旧宗主国であるフランスは現在、この地域に配備した兵士400人の撤退準備を進めている。
軍政は先月、駐仏軍に対し、1カ月以内に国外に退去するよう命じた。
ブルキナの駐仏兵は隣国マリよりはるかに少ないものの、「NATO主要国の部隊の撤退は過激派を勢いづかせる」と多くの専門家が指摘している。
軍政はマリの軍政に倣ってロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結ぶ可能性がある。
モロッコのシンクタンク「ポリシーセンター(Policy Center for the New South)」は20日、「軍指導部は訓練を受けた陸軍の兵士が過激派の待ち伏せ攻撃を受けたことを重く受け止める必要がある」と指摘した。「国軍が苦戦を強いられていることは間違いありません...」
過激派の支配地域で身動きが取れない市民は60万人近くに達し、この地域への人道支援は戦闘の影響で60%減少したと報告されている。
ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)によると、ブルキナ軍政は国土の60%しか管理できておらず、残り40%は過激派の支配下に置かれている。