◎ロケット弾は1日の午後遅くにイスラエル南部に向けて発射され、陸軍が防空システム「アイアンドーム」で迎撃した。
2021年5月20日/パレスチナ、ガザ地区、イスラム過激派組織ハマスが発射したロケット弾(Hatem-Moussa/AP通信)

イスラエル軍は1日、イスラム過激派組織ハマスが実行支配するガザ地区から発射されたロケット弾を迎撃したと発表した。

陸軍によると、ロケット弾は1日の午後遅くにイスラエル南部に向けて発射され、防空システム「アイアンドーム」で迎撃したという。

南部地区では空襲を知らせるサイレンが鳴り響いた。

地元住民は爆発音を聞いたと報告している。イスラエル当局によると、サイレンを聞いて避難所に駆け込んできた女性が転倒しケガをした以外、負傷者は報告されていないという。ロケット弾の発射元は不明。

米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は今週、イスラエルとパレスチナの緊張が高まっていることに深刻な懸念を示し、イスラエル政府に入植地拡大は認めないとくぎを刺したが、事態が鎮静化する見通しは立っていない。

イスラエル軍は先週、ヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャンプを急襲し、パレスチナ人武装勢力とされる10人を殺害した。

その翌日、東エルサレムでパレスチナ人が銃を乱射し、市民7人を殺害。さらに13歳のパレスチナの少年も銃撃事件を起こし、イスラエル人2人が負傷した。

この攻撃を受け、イスラエル政府はパレスチナ人に対する懲罰的措置を導入し、緊張を高めた。

超国家主義政党「ユダヤの家」のベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相は1日、「ガザのロケット弾はイスラエルの刑務所に収容されているパレスチナ人受刑者に対する懲罰を止めることはできない」と述べた。

地元メディアによると、ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はロケット攻撃を受け、緊急の安全保障閣議を召集したという。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争で東エルサレムやヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設。国際社会はこの占領を認めていない。

2021年5月11日/イスラエル南部、防空システム「アイアンドーム」(Ariel Schalit/AP通信)
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