◎西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)の領土のおよそ8割はモロッコの支配下にあり、残りはアルジェリアの支援を受けるポリサリオ戦線が統治している。
西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)を統治する武装組織「ポリサリオ戦線」は13日、アルジェリアで指導者会議を開き、西サハラの闘争に終止符を打つ取り組みを強化すると表明した。
AFP通信によると、会議ではポリサリオ戦線の首長を選ぶ投票も行われ、現職のガーリ(Brahim Ghali)氏の再選が確実視されているという。
ガーリ氏は会議の冒頭、「サハラ人の闘争と植民地化に抵抗する戦いは成功を抑えるだろう」と主張した。
西サハラの領土のおよそ8割はモロッコの支配下にあり、残りはアルジェリアの支援を受けるポリサリオ戦線が統治している。
モロッコはポリサリオ戦線をテロ組織に指定しているが、アルジェリアを含むアフリカ連合(AU)の主要国は西サハラの独立を認めている。
1975年にスペイン軍がこの地域から撤退した後、西サハラ戦争が勃発した。西サハラは1976年に独立を宣言したが、モロッコはこれを認めていない。
国連が主導した西サハラ戦争の停戦協定は1991年に発効し、それ以来、国連平和維持ミッション「西サハラ住民投票監視団(MINURSO)」が緩衝地帯を監視している。
AFP通信によると、指導者会議は5日間に渡って行われ、ポリサリオ戦線の戦闘員2200人以上と海外のゲスト400人近くが出席する予定だという。
ポリサリオ戦線の外交官はSNSに声明を投稿。「この会議は1991年の協定以来続く平和と、西サハラの主権・独立を確認するものである」と述べた。
ポリサリオ戦線は国連の監視下で独立の是非を問う住民投票を実施するよう求めているが、実現していない。
モロッコ政府は2020年、西サハラの最南端に軍隊を派遣し、モーリタニアとアフリカ大陸を結ぶ唯一の高速道路を妨害するポリサリオ戦線のデモ隊を鎮圧。停戦協定は事実上破綻した。
それ以来、死者を出す事件が相次ぎ、国連安保理は双方に永続的な解決を目指す交渉を再開するよう繰り返し要請している。
ポリサリオ戦線は2020年後半、「戦争を仕掛けてきたのはモロッコであり、西サハラは領土を守るために戦っているだけだ」と主張し、「西サハラ全域が戦場になった」と宣言した。