◎46人を乗せた軍用機は7日遅くにアビジャンの空港に到着した。
コートジボワール軍は8日、隣国マリで約半年拘束された兵士46人が無事帰国したと発表した。
マリの軍事政権は今週、国家安全保障を害した罪などで有罪判決を受けたコートジボワール兵49人に恩赦を与え、マリ国内で拘留されていた46人の帰国を許可した。女性兵3人は人道上の理由で昨年9月に帰国していた。
46人を乗せた軍用機は7日遅くにアビジャンの空港に到着した。
49人は昨年7月、国連マリ多面的統合安定化ミッション(MINUSMA)の要員としてマリに入国し、拘束された。
マリの軍事裁判所は先週、46人に禁固20年、女性兵3人に死刑を言い渡していた。
コートジボワールのワタラ(Alassane Ouattara)大統領は46人を迎える式典で演説し、「今回の出来事について自分たちを責めてはいけない」と語った。「ミッションは厳しいものになったが、あなたたちは無事戻ってきました...」
兵士たちはワタラ氏ら政府高官と握手し、家族や友人と再会した。
帰還兵のひとりは記者団に対し、「祖国に戻ることができてとてもうれしい」と語った。
一方、マリ軍は今回の恩赦について、「政府は平和と対話を重視し、隣国コートジボワールとの良好な関係を維持することを示すものである」と主張した。
マリはこの10年、国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織の暴力に悩まされてきた。軍を率いるゴイタ(Assimi Goita)大佐は旧宗主国フランスとの関係を断ち、ロシアとの関係を強化している。
マリ軍に雇われたロシア民間軍事企業ワグネルの傭兵はサヘル地域で活動するイスラム過激派だけでなく民間人も虐殺したと告発されている。
一部のアナリストは今回の恩赦について、「軍事政権は国を完璧に統治し、イスラム過激派との戦争を有利に進めつつあると国内外にアピールする狙いがある」と指摘している。