◎教育相は20日、書簡で女子学生の就学を禁じると発表。期間は「追って通知があるまで」とし、武装兵を大学に配備した。
アフガニスタンを統治するタリバンは22日、女性の大学就学を禁じる政令に反対する抗議デモを取り締まり、女性5人とジャーナリスト3人を逮捕した。
報道によると、デモは首都カブールの通りで行われたという。北部タカール州でも同様のデモが行われたと伝えられている。
教育相は20日、書簡で女子学生の就学を禁じると発表。期間は「追って通知があるまで」とし、武装兵を大学に配備した。
タリバンは女子の中等教育(小学6年生以上)も禁じている。
新しい政令は即発効し、全国の公立・私立大学は女子学生をキャンパスから排除せざるを得なくなった。
タリバン指導部によると、大学のカリキュラムはシャリア(イスラム法)に基づいておらず、受け入れられないという。
教育省は「学者たちが大学のカリキュラムと環境を評価し、適切な環境が整うまで女子学生の就学を禁じる」と主張したが、いつ環境が整うかは明らかにしなかった。中等学校も同様である。
その後、教育相は国営テレビで「女子学生はドレスコードを無視しているため、就学を禁じた」と発言した。
教育省によると、女子学生は結婚式に行くような恰好をしていたという。西側の一部の活動家はタリバンの政令を破り捨て、アフガン中央銀行の凍結資産を速やかに溶かし、9.11テロの犠牲者遺族に分配するよう米政府に求めた。
ソーシャルメディアで共有された動画にはブルカ(全身を覆うイスラム教のヴェール)を着用した女性グループが横断幕を掲げ、スローガンを叫びながらカブールの通りを行進する様子が映っていた。
報道によると、グループはカブール大学前でデモを行う予定だったが、タリバンが武装兵を配備したため、目的地を変更したという。
AP通信の取材に応じた女性は、「ライフルを持った男に殴られたが、逮捕は免れた」と語った。
別の女性は米国に行動を促した。「あのひげ面の男たちの独裁を許さないでください!」
報道によると、武装兵は女性少なくとも5人を逮捕し、どこかに連行したという。
BBCニュースは逮捕された5人のうち2人が釈放されたと報じている。残り3人とジャーナリスト3人は連行されたとみられる。
一部の男性もデモ隊に連帯して声を挙げた。カブールの公立・私立大学の周辺には大学関係者約50人が集まり、その多くが職を辞して抗議したと伝えられている。
タリバンは昨年8月の政権奪取直後、女性や少数派の権利を尊重するより穏健な統治を約束したが、シャリアに基づく人権を尊重しない統治にかじを切った。
女子は就学を禁じられ、女性は仕事を制限され、公の場ではブルカの着用が義務付けられている。
タリバンの弾圧が加速した結果、女性の抗議デモはほとんど行われなくなった。女性たちは逮捕よりシャリアの教義に反したという烙印を押されることを恐れている。
大学は教育省の政令以前から差別的な講義を採用していた。
入り口と教室は男女で分けられ、女子学生の講義は女性もしくは許可を得た講師以外担当できなくなった。学科も制限されていた。
タリバンはシャリアに反するとして、工学、経済学、獣医学、農学を禁じ、ジャーナリズムも厳しく制限した。