◎スメル山は4日の現地時間11時過ぎに噴火し、噴煙の高さは1万5000mに達した。
インドネシア当局は4日、東ジャワ州ルマジャンのスメル山(標高3676m)で発生した噴火について、数百人が避難を余儀なくされたが、これまでのところ死者は確認されていないと報告した。
当局によると、スメル山は4日の現地時間11時過ぎに噴火し、噴煙の高さは1万5000mに達したという。スメル山でこの規模の噴火が確認されたのは1年ぶり。
政府報道官は声明で、「噴煙は周囲の村を覆い尽くし、日光を完全に遮ったが、これまでのところ死傷者は確認されていない」と述べた。
ソーシャルメディアで共有された動画には火山灰で真っ白になった村と荷物を持って避難する人々の姿が映っている。
当局は火口から半径5km(全方位)の範囲と、南東部の広い範囲を危険区域に指定し、市民に近づかないよう呼びかけている。火砕流は南東部に流れ下ったようだ。
ルマジャンの災害管理局は声明で、数百人が市内の避難所に避難していると報告した。
スメル山の直近の大噴火は昨年12月に発生した。
この時は火砕流が周辺の集落に到達し、50人以上が死亡、数百人が重度の火傷を負い、1万人以上が避難を余儀なくされた。
政府はその後、火口周辺の約3000世帯に危険地帯から退避するよう勧告した。
スメル山はグレートマウンテンと呼ばれるジャワ島で最も標高の高い活火山であり、昨年1月と2020年12月にも火砕流を伴う大規模噴火を観測した。1月の火砕流は火口から4~5km流れ下ったと伝えられているが、死傷者は確認されていない。
インドネシアは環太平洋プレートに沿って形成された火山大国であり、120を超える火山が活発に活動し、大きな地震が定期的に発生している。