◎首都テヘランでクルド人女性のアミニさんが殴り殺された事件に抗議するデモは8週目に突入した。
国営イラン通信(IRNA)は13日、革命裁判所が抗議デモに参加した市民に死刑判決を言い渡したと報じた。
この裁判所は1979年のイスラム革命後に創設され、反政権派を厳しく処罰することで知られている。
IRNAによると、死刑判決を受けた市民は抗議デモ中に政府庁舎に火を放ったという。また革命裁判所は同じく抗議デモに参加した市民5人に懲役5年~10年の実刑判決を言い渡した。この5人は公序良俗違反で逮捕、起訴されたという。
首都テヘランでクルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんが殴り殺された事件に抗議するデモは8週目に突入した。
アミニさんは9月13日、テヘランを訪問中にヒジャブ(スカーフ)を適切に着用しなかったという理由で道徳警察に殴られ、パトカーに頭を叩きつけられ、車内で暴行を受け、昏睡状態に陥り、3日後に死亡した。
活動家などによると、この抗議デモ中に逮捕された市民が死刑を宣告されたのは初めてだという。
IRNAによると、判決は革命裁判所の支部が言い渡したという。6人の身元は明らかにされておらず、控訴できるか否かも不明。
イラン指導部はデモに参加した反政権派数百人を起訴し、テヘランで公開裁判を開くと主張している。
司法当局はテヘラン以外の都市でも数百人を起訴したと発表している。その一部は死刑に相当する「地上に腐敗を広めた罪」や「神に戦争を仕掛けた罪」などで起訴された。
ノルウェーに拠点を置く人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)などによると、治安部隊の攻撃でこれまでに民間人300人以上が殺害され、数万人が負傷し、1万4000人以上が拘束された。
イラン当局は治安当局者40人以上が死亡したと報告している。
デモは当初、女性に着用を義務付けているヒジャブ(スカーフ)に焦点を当てていたが、1979年のイスラム革命以来国を統治する最高指導者とその他の聖職者への挑戦に変容した。