◎マリン氏は個人宅のパーティーに参加していたことがSNSで明らかになり、一部の野党議員と市民から批判を浴びていた。
フィンランド政府は4日、今年8月のパーティー動画流出で職務怠慢を疑われていたマリン(Sanna Marin)首相の汚名をそそいだ。
マリン氏は個人宅のパーティーに参加していたことがSNSで明らかになり、一部の野党議員と市民から批判を浴びていた。
同氏は動画流出後、コカイン、アンフェタミン、大麻、オピオイドの使用有無を確認できる尿検査を受けている。
地元メディアによると、「マリン氏の行動はフィンランドの評判を損なう」という苦情が数十件寄せられたという。
しかし、法務省は4日の声明で、「マリン氏は首相の職務を怠っていなかった」と結論付けた。
同省は「首相が違法行為に関与したという証拠も、公務を怠ったという証拠もない」と述べている。
マリン氏は動画の中で麻薬に言及していると指摘され、疑いを晴らすため薬物検査を受けた。結果は陰性だった。
マリン氏は8月の会見で、「映像は私有地で撮影されたもので、友人たち一晩過ごした」と説明していた。
またマリン氏はパーティーに参加したことについて問われると、「私は人間であり、他の人と同じように楽しみを求めることがある」と述べた。
この事件後、多くの女性がマリン氏の背後に集結し、首相のパーティー参加に異議を唱えた野党議員などに反撃した。ある女性活動家は「女は遊ぶな。女は自宅で家事だけしてろ、と差別する政治家がいる」とSNSに投稿している。
フィンランドの多くの女性SNSユーザーがパーティーで踊る動画を投稿し、マリン氏との連帯を表明した。
米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官はマリン氏に踊り続けるよう促した。
マリン氏は2019年に世界最年少の首相となり、世界の注目を集めた。
マリン氏は福祉制度の拡充を推し進める左派とみなされている。
フィンランドは今年、ロシアのウクライナ侵攻を受け、長年維持してきた軍事的中立を見直し、NATOに加盟を申請した。
NATO事務総長は今週、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟手続きは近く完了するという見方を示した。