◎両政府によると、会談では貿易問題やベネズエラの国際機関への復帰などが議論される予定だという。
コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は米国の厳しい経済制裁下に置かれている隣国の問題児、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領と2日に会談する予定だ。
今年8月に就任した元左翼ゲリラのペトロ氏はベネズエラとの関係改善を公約の一つに掲げている。
首脳会談はベネズエラの首都カラカスで行われる予定。
両政府によると、会談では貿易問題やベネズエラの国際機関への復帰などが議論される予定だという。コロンビア外相は首脳会談に先立ち、今月初めにベネズエラを訪問し、マドゥロ氏と会談している。
コロンビアと米国の関係は麻薬戦争への対応で一部ゴタゴタがあったものの、良好とみなされている。しかし、ペトロ氏は2018年の選挙で再選を主張し、米国の制裁下に置かれたマドゥロ氏ともより良い関係を構築できるとして、米国の制裁努力に反旗を翻した。
ペトロ氏はベネズエラとの外交と貿易関係を回復し、さらに両国の国境付近で活動する左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」との交渉の仲介役にマドゥロ氏を指名した。
一方、西側諸国から暫定大統領と認められているグアイド(Juan Guaido)氏率いる反政権派の支持率は低下しているようだ。
米国をはじめとする数カ国がベネズエラ政府関係者や機関への制裁を維持する一方で、コロンビアを含む米州機構(OAS)の加盟19カ国は今月、政治・経済問題を扱う地域フォーラムからグアイド氏陣営の特使を除外するという提案を支持した。
しかし、この提案は決議に必要な3分の2の賛成には届かなかった。
グアイド氏率いる「もうひとつの政府」は現在も米国をはじめとする数十カ国に承認されているが、国内の機関に対する権限はなく、マドゥロ政権を弱体化させる取り組みは今のところ機能していないようにみえる。
ベネズエラの経済はマドゥロ氏が就任した2013年以来、右肩下がりで急降下を続け、2021年のGDPは10年前の2割以下に落ち込んだ。