◎イスラエル政府は今年初めから春にかけてイスラエル人19人がテロ攻撃で殺害されたことを受け、ヨルダン川西岸地区の取り締まりを強化している。
パレスチナ自治政府は22日、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人男性がイスラエル兵に射殺されたと発表した。
保健省によると、男性は32歳。医療機関に搬送されたものの、まもなく死亡したという。
同省は声明で、「男性は検問所で頭を撃ち抜かれた」と説明したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
一方、イスラエル軍はこの男性を乗せた車両がイスラエルに不法入国を試み、検問所から逃走を図った際、兵士をひき殺そうとしたため、銃撃したと報告している。
東エルサレムでも別の事件が報告された。
イスラエル警察によると、パレスチナ人男性がイスラエル人を鋭利な刃物で刺し逃走を図ったため、その場で射殺したという。警察の報道官は「容疑者は刃物を警察官に向けた」と説明している。
パレスチナ通信(WAFA)は16歳の少年が「撃ち殺された」と報じているが、氏名や詳しい状況は明らかにしていない。この少年が刺したとみらえるイスラエル人の容体も不明。
イスラエル政府は今年初めから春にかけてイスラエル人19人がテロ攻撃で殺害されたことを受け、ヨルダン川西岸の取り締まりを強化している。
パレスチナの過激派または過激派の影響を受けた市民は近年、東エルサレムとヨルダン川西岸でイスラエル人への攻撃を繰り返している。
今年、ヨルダン川西岸と東エルサレムで殺害されたパレスチナ人は130人近くに達した。
当局は死亡したパレスチナ人の大半が武装勢力の戦闘員もしくはそれとつながりのある犯罪者と報告している。
しかし、多くの人権団体がアルジャジーラのジャーナリストや抗議デモを見学していた市民など、衝突に関与していない民間人も多数殺害されているとイスラエル政府を非難している。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設した。