◎スウェーデンのメディアは9月の選挙戦を「史上最も醜い選挙戦」と評している。
スウェーデン議会は17日、右派政党を率いる穏健党のクリステルソン(Ulf Kristersson)党首を新首相に選出した。
クリステルソン氏は右派の「キリスト教民主党」「自由党」と連立を組み、極右「スウェーデン民主党」の支援を受けながら国を率いる予定だ。
穏健党はスウェーデン民主党の公約「移民対策の強化」と「警察の権限拡大」を進めると約束した。
連立を組む3党は減税と給付金の上限設定を公約に掲げている。
スウェーデン民主党のオーケソン(Jimmie Akersson)党首は17日、「新政権は移民政策を見直し、この国に秩序、理性、常識をもたらすだろう」と述べた。
スウェーデン民主党は1980年代末の「ネオナチ運動」「白人民族主義運動」をルーツとし、長い間のけ者扱いされてきた。
しかし、9月に行われた議会選では移民と犯罪に焦点を当て、若者の支持を集めることに成功し、第2党に躍進した。
スウェーデンのメディアは9月の選挙戦を「史上最も醜い選挙戦」と評している。世論調査によると、回答者の大多数が銃乱射事件やギャング犯罪の急増に不満を表明し、移民・犯罪対策の強化を支持したという。
緑の党は17日、新政権の政策は「権威主義的、保守的、国家主義的」であり、社会民主労働党が推進した中道左派政策は大きく見直されることになるだろう」と声明を発表した。
社会民主労働党は有効票の30%超を獲得し第1党を守ったが、他の左派政党は票を伸ばせなかった。