◎来週閣議決定される予定。
スペイン政府は13日、ロシアのウクライナ侵攻に端を発する電気とガス料金の高騰に対処する取り組みの一環として、新たな家庭向け支援策を発表した。
スペイン国営RTVEテレビによると、予算規模は30億ユーロで、低所得世帯に対する電気と暖房の補助金が増額され、集合住宅用暖房システムのガス料金の設定などが見直されるという。
集合住宅向けの補助は2023年末まで維持するとしている。
サンチェス(Pedro Sanchez)首相は国会演説でこの計画を発表し、「まずは全世帯の40%を支援する」と説明した。
またサンチェス氏は「ロシアの戦争がもたらした経済的影響を完全に避けることはできないが、食料・燃料・電気・ガス価格高騰の影響を最も強く受けている低所得世帯のダメージを和らげることはできる」と語った。
この支援策は来週閣議決定される予定だ。
スペインは最近、大手エネルギー企業や銀行などに対する通称「風穴税(エネルギー危機にもかかわらず利益を上げる企業に科す税金)」を承認し、天然ガスの消費税率を21%から5%に一時的に引き下げた。
さらに、300万ユーロ以上の資産を持つ富裕層の金融所得課税を一時的に引き上げ、年間所得が20万ユーロを超える市民の所得税率を26%から27%に引き上げることも計画している。
これらの増税で得た税収も低所得世帯の支援に充てられる予定。