◎ユーロプライドは欧州各国で持ちまわり開催されており、今年はセルビアの首都ベオグラードで行われる予定。
2022年9月11日/セルビア、首都ベオグラード、LGBTQイベントに反対する集会(Darko Vojinovic/AP通信)

セルビアの首都ベオグラードで11日、欧州最大のLGBTQ+(性的少数者)の祭典「ユーロプライド」に反対する集会が開催され、数千人が参加した。

ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は先月末、9月12日に開幕する予定のユーロプライドを許可しないと発表し、西側諸国と人権団体の猛反発に直面した。

ユーロプライドは欧州各国で持ちまわり開催されており、今年はセルビアの首都ベオグラードで行われる予定(9.12~18)。第1回は1992年にロンドンで開催された。

ユーロプライドの主催団体「European Pride Organisers」は許可が下りなくてもイベントを強行すると主張している。

保守的なセルビア正教会が主催するデモ行進に数千人が参加し、プーチン(Vladimir Putin)露大統領の支持者も参加した。一部のデモ隊はロシアのウクライナ侵攻を応援し、米国を「悪魔軍団」と罵った。

セルビア正教会は声明で、「悪の勢力は男女の結婚と家族の代わりに不自然な結合を押し付けている」と述べ、LGBTQを非難した。

European Pride Organisersは3年前、正教会の圧力にさらされているセルビアのLGBTQ+の権利向上と進歩を願い、開催地に選んだ。

セルビアはEU加盟を目指しているが、ロシア寄りに大きく傾き、基本的人権を軽視する政策を推し進めている。政府はウクライナ侵攻を非難する国連決議に賛成しているが、西側の対ロシア制裁には参加していない。

ブチッチ大統領はコソボ問題やエネルギー危機への取り組みを最優先する必要があり、ユーロプライドの警備に人員を割く余裕はないと主張している。

これに対し、セルビアの権利団体はブチッチ政権に退陣を求める取り組みの一環として、ユーロパレードに積極に参加するよう市民に呼び掛けている。

EUの高官数名はユーロパレードへの参加を表明。米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官を含む多くの政府高官が中止命令を撤回するよう求めている

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