◎イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この8年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
UAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける民兵は22日、国連に承認されたイエメン正規軍との戦闘の末、南部の主要油田・ガス田を占領したと発表した。
報道によると、UAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける「シャブワ防衛軍」は、同じくUAEの支援を受ける「巨人旅団」およびイエメン正規軍を油田から追い払うことに成功したという。
民兵は都市名には言及していないが、恐らく第二の都市アデンの油田と思われる。
イエメン正規軍、巨人旅団、そしてシャブワ防衛軍はイエメンの大部分を支配するシーア派武装勢力フーシと7年以上にわたって戦っている。これらの部隊はすべてサウジ連合軍に属している。
シャブワ防衛軍は先週、南部シャブワ州の知事が警察責任者を解任したことに反発し、巨人旅団と衝突した。イエメン政府は州知事の決定を支持したとみられる。
油田の奪取はイエメンの南半分に新国家を建設しようとする南部暫定評議会の支配力を高める可能性がある一方、イランの支援を受けるフーシ派と戦うサウジ連合軍の結束を弱める可能性がある。
多くの専門家がこの内輪もめに懸念を表明し、フーシ派にスキを見せるべきではないと指摘した。
一方、AP通信は治安筋の話を引用し、「UAE民兵は数日前にシャブワ州の州都とも奪取した」と報じている。
イエメン南部の一部地域を実行支配する南部暫定評議会は1967年から1990年までのように、イエメンを2つに分割して統治すべきと主張している。シャブワ防衛軍と巨人旅団は同評議会の主要グループである。
イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この8年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
サウジ連合軍はフーシ派の拠点を攻めつつ首都サヌアなどにミサイルを撃ちこみ、インフラを破壊し尽くした。しかし、絶え間ない空爆と地上戦にもかかわらず戦闘は膠着状態に陥り、壊滅的な人道危機を引き起こした。
政府とフーシ派は今月初め、既存の休戦協定を2カ月延長することに合意した。