◎サハラ・アラブ民主共和国(西サハラ)は1976年に独立を宣言したが、モロッコはこれを認めていない。
ペルー政府は18日、モロッコとの関係を強化するために、サハラ・アラブ民主共和国(西サハラ)との国交を断絶すると発表した。
外務省は声明で、「カスティジョ政権は西サハラの承認を撤回し、国交を断絶する」と発表した。カスティジョ(Pedro Castillo)大統領は11カ月前に西サハラとの外交関係を回復したばかりである。
モロッコは西サハラのおよそ8割を支配し、残りはアルジェリアの支援を受ける武装組織「ポリサリオ戦線」が統治している。
モロッコはポリサリオ戦線をテロリストと見なしているが、アルジェリアを含むアフリカ連合(AU)の主要国は西サハラの独立を認めている。
1975年にスペイン軍がこの地域から撤退した後、西サハラ戦争が勃発した。西サハラは1976年に独立を宣言したが、モロッコはこれを認めていない。
国連が主導した西サハラ戦争の停戦協定は1991年に発効し、それ以来、国連平和維持ミッション「西サハラ住民投票監視団(MINURSO)」が緩衝地帯を監視している。
モロッコはポリサリオ戦線に「限定的な自治」を提案しているが、同戦線はリン鉱石と漁業が豊富なエリアを主権下に置く必要があると主張している。
国連は西サハラを「非自治領」とみなしている。
ペルーとモロッコの外相は先日、電話会談を行い、この問題について話し合った。
両外相は共同声明で、「定期的な政治協議、経済・商業・教育・エネルギー・農業分野での効果的な協力を含む二国間関係を強化することで合意した」としている。
両外相が調印した協定書によると、「ペルーはモロッコの領土保全と国家主権を評価・尊重し、モロッコ政府が提示した自治計画を支持する」としている。
ペルーは1984年8月に西サハラと外交関係を結び、フジモリ政権時代の1996年に国交を断絶。カスティジョ氏は昨年9月、外交政策のひとつとして西サハラとの関係を復活させた。
モロッコ外務省は18日、ペルーの決定を歓迎した。
一方、先週就任したコロンビアの元左翼ゲリラであるペトロ(Gustavo Petro)大統領は西サハラとの国交を約21年ぶりに回復した。