◎カリーニングランド州はロシア本土と国境を接しておらず、主に鉄道と航空便で物資を輸送している。
ロシアの国営メディアは22日、リトアニアとポーランドに挟まれた飛び地カリーニングラード州への鉄道貨物輸送が再開されたと報じた。
バルト海に面するカリーニングランド州はロシア本土と国境を接しておらず、主に鉄道と航空便で物資を輸送している。
リトアニア政府は先月、EUの対ロシア制裁に基づいてカリーニングランド州の石炭、金属、建設資材、先端技術などの輸送を禁じた。
ロシア政府はこれに激怒し、決定を改めなければ「しかるべき措置を取る」と警告していた。
EUの執行機関である欧州委員会は先月、リトアニアの決定を擁護し、「リトアニア政府はロシアによるウクライナ侵攻の結果、EUが科した制裁を正しく実施しているだけだ」と述べた。
しかし、EUは先週、輸送禁止措置は鉄道ではなく道路輸送を対象としているとし、リトアニアにカリーニングランド州の鉄道輸送を許可するよう求めた。
ロシアの国営タス通信は州政府筋の話を引用し、「ロシア本土のセメントがまもなく陸路で到着する」と報じている。
ロシアは1945年にカリーニングラードを併合した。人口は100万人と推定され、産業はロシアとEUの原材料輸入に、物資輸送はリトアニアの鉄道に大きく依存している。
しかし、リトアニア政府は先月、EUの対ロシア制裁を遵守するとして、特定のロシア製品に対する制裁を履行し始めた。
ロシアの安全保障会議のパトルシェフ(Nikolai Patrushev)書記はこれに激怒し、「輸送妨害はリトアニアの住民に深刻な悪影響を与える」と脅した。
カリーニングラード州には核弾頭を搭載できる短距離弾道ミサイル「イスカンデル(Iskander)」が配備されているとみられる。