◎パレスチナ系米国人のアクレ氏は5月11日、ヨルダン川西岸地区でイスラエル軍の急襲作戦を取材中に被弾、死亡した。
パレスチナ自治政府は2日、アルジャジーラのジャーナリスト、シリーン・アブ・アクレ(Shireen Abu Aqleh)氏銃撃事件の証拠を米国の法医学専門家に提供したと発表した。
パレスチナ系米国人のアクレ氏は5月11日、ヨルダン川西岸地区でイスラエル軍の急襲作戦を取材中に被弾、死亡した。
パレスチナ当局はイスラエル軍がアクレ氏と当時一緒に行動していた別の記者を銃撃したと主張している。
一方、イスラエル軍は急襲作戦中にパレスチナの武装勢力が銃を乱射し、アクレ氏らが巻き込まれたと説明。アクレ氏から摘出された弾丸を分析しない限り、事件を解決することは不可能としている。
パレスチナは証拠隠滅の恐れがあるとして、イスラエルへの弾丸引き渡しを拒否した。
パレスチナ司法省は声明で、「弾丸の調査には技術的な作業が必要であり、米国の専門家に公式に引き渡された」と述べている。また同省はイスラエルとの証拠共有は隠滅の恐れがあるため拒否していると繰り返した。
司法省は、「パレスチナは真実の追求に役立つすべての国際機関の参加を歓迎する」とした。「我々は国連や国際刑事裁判所を含むすべての国際機関の公式参加を受け入れますが、イスラエルは受け入れません...」
AP通信はパレスチナの政府筋の話を引用し、「この問題はパレスチナのアッバス(Mahmoud Abbas)議長とブリンケン(Antony Blinken)米国務長官との電話会談で提起され、双方はバイデン(Joe Biden)大統領のパレスチナ訪問前にこの問題が解決されることを望んでいる」と報じた。
バイデン氏は7月13日にイスラエルとパレスチナを訪問する予定である。
米国の専門家がどのような調査を行うかは明らかにされていない。イスラエル政府が軍の銃器を米国と共有するかどうかも不明である。