◎首都キトでは主に先住民族で構成されるデモ隊と警察との衝突が各地で報告されている。
エクアドルの国防省は21日、食料と燃料価格の高騰に抗議するデモが暴動に発展したと報告した。
ララ(Luis Lara)国防相は21日に放送されたテレビ演説の中で、「民主主義が危険にさらされている」と警告した。
首都キトでは主に先住民族で構成されるデモ隊と警察との衝突が各地で報告されている。
一部のデモ隊は公共バスのタイヤをパンクさせ、多くの市民が徒歩での移動を余儀なくされた。
ララ国防相は、「軍は現場の状況を注視している」と述べ、暴力が拡大すれば軍の出動もあり得ると示唆した。「これらは抗議の枠を完全に超えています。デモ隊は民主主義を脅かし、国家を危険にさらしています...」
先住民族で構成される連合は先週、ラソ(Guillermo Lasso)大統領に燃料価格の引き下げ、農産物の価格統制、教育予算の増額などを求める無期限ストを呼びかけ、数千人がデモに参加した。
地元メディアはデモの中心地であるキトの公立大学と検察庁が被害を受けたと報じている。検察庁は警察と軍に支援を要請し、機密情報を安全な場所に移したと伝えられている。
2019年10月に発生した同様の先住民族抗議では一部のデモ隊が政府の会計監査事務所に押し入り、建物に火を放った。
無期限ストは北部の6つの州に影響を与えている。デモ隊はこの地域の道路を封鎖したため、首都キトを含む多くの地域で食料や燃料の輸送に影響が出た。
全国の大学、カトリック教会、国連や米州機構の代表団などは政府と先住民族グループに対し、経済・社会・政治危機に対処するための協議を行うよう呼びかけている。
政府はこの呼びかけを受け入れたが、デモ隊はまだ反応していない。
エネルギー省によると、デモ隊は市内の主要な油田を占領し、日量約3万バレルの損失が発生しているという。
また検察長は21日、ツイッターに、「約17万人が生活する中部アンバトの水源が汚染された可能性がある」と投稿し、調査を開始するとした。詳細は明らかにされていない。
地元メディアによると、少なくとも7つの地区の水源の水が黒く変色し、オイルが焦げたような匂いが立ち込めていたという。アンバトでは2019年のデモでも妨害行為で水の供給が止まり、大混乱を引き起こした。