◎クロサイは絶滅危惧種に指定されている。
2021年10月21日/ナミビアの国立公園、クロサイ(ロイター通信)

アフリカ南西部、ナミビア政府は14日、6月に入ってからクロサイの密猟が急増し、この2週間で少なくとも11頭が殺されたと報告した。

環境省の報道官によると、密猟者は同国最大の国立公園であるエトーシャ国立公園(Etosha National Park)のクロサイを狙っているという。殺されたサイの角はいずれも取り除かれていた。

クロサイは絶滅危惧種に指定されている。犀角(さいかく)はアジアの一部地域で漢方薬として利用され、取引価格は金やコカインに匹敵すると伝えられている。

ナミビアは野生のクロサイが生息する数少ない国のひとつである。環境省によると、2021年の密猟被害は43頭、2020年は40頭だったのに対し、今年はすでに22頭が殺され、特にこの2週間の被害件数は過去に例を見ないという。

報道官は密猟被害が急増したことに懸念を表明し、当局はクロサイ生息地の取り締まりを強化していると説明した。「これは大変遺憾なことであり、密猟との戦いが終わっていないことを強く示しています...」

サイの密猟被害はアフリカ南部、特に南アフリカとボツワナで多発しており、各地で厳しい取り締まりが行われている。

犀角(さいかく)は人間の髪の毛や爪と同じケラチンでできているにもかかわらず、東アジアでは漢方薬や宝飾品として珍重されている。

ナミビアの野生のクロサイ生息数は世界全体のおよそ3分の1、シロサイの生息数は南アフリカに次ぐ世界第2位である。

サイの保護団体「セーブ・ザ・ライノ(Save the Rhino)」によると、ナミビア北東部のクロサイ個体数は200頭強で、その数は年々減少しているという。

アフリカ大陸全体のクロサイ個体数は少しずつ増加しており、取り締まりの成果が出ているとみられるが、ナミビアを含む多くの国で今も密猟が横行しているため、楽観視できるような状況ではない。

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