◎マリ軍は北部サヘル地域で活動するイスラム過激派組織だけでなく、民間人も虐殺したと告発されている。
2022年1月14日/マリ、首都バマコ、フランスの制裁に抗議するデモ(Getty Images/EPA通信)

メディア監視団体「国境なき記者団(RSF)」は28日、マリの軍事政権が仏国営メディアのライセンスを永久剥奪したことを受け、RSFの専用ウェブサイトでこのメディアの記事やニュースを発信すると発表した。

ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RTI)とフランス24は27日、マリ軍の虐待に関する報道をしたとして、ライセンスを剥奪された。

RSFは、「ミラーサイトで両メディアの情報を公開する」と発表している。

RSFが運営する「Operation Collateral Freedom」は2015年に創設された。このサイトはロシアを含む24カ国47のウェブサイトを政府の検閲を回避して閲覧できる。

RFIとフランス24は西アフリカで最も聴取率の高い人気メディアであり、テレビ、ラジオ、SNS、ユーチューブなどでニュースを配信している。

マリと旧宗主国のフランスの外交関係は、民主主義をめぐる論争とロシアの民間軍事会社「ワグネル」に関連する事件の影響で急速に悪化した。軍事政権は1月にフランス大使を追放している。

RFIとフランス24は先月、マリ軍の虐待に関する報道をしたとして、ライセンスを一時停止されていた。

マリ軍は北部サヘル地域で活動するイスラム過激派組織だけでなく、民間人も虐殺したと告発されている。

フランス政府は27日、RFIとフランス24のライセンス剥奪を「報道の自由への攻撃」と非難した。両メディアの親会社であるフランス・メディア・モンドも非難声明を発表している。

世界で最も貧しい国のひとつであるマリはこの10年間、ジハード組織の暴力に悩まされてきた。サヘル紛争の死者は数千人、150万~200万人が避難民になったと推定されている。

首都バマコの住民によると、RFIとフランス24のウェブサイトは28日午前の時点で閲覧可能だという。携帯、SNS、ユーチューブも閲覧可能と報告されている。

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