◎空爆は4月16日に実施されたと伝えられている。
2022年4月16日/アフガニスタン、東部ホースト州、パキスタン軍の空爆に抗議するデモ(Getty Images/AFP通信)

アフガニスタン政府は17日、東部ホースト州とクナル州で報告されたパキスタン軍の空爆による死者は少なくとも47人に達したと明らかにした。

空爆は16日に実施されたと伝えられている。

ホースト州政府の当局者はAFP通信の取材に対し、「パキスタン軍はホースト州の国境付近を空爆し、女性と子供を含む民間人少なくとも41人が死亡、22人が負傷した」と述べた。

クナル州の空爆については、首都カブールのタリバン当局者が16日、少なくとも6人の死亡を確認したと報告している。

アフガニスタン最大のテレビ局TOLOは、空爆で死亡したとされる子供の遺体をモザイクなしで映した。

またTOLOは、パキスタン軍を非難する抗議デモの様子も報じた。ホースト州では数百人の抗議者が市街地を行進した。

パキスタン軍は空爆に関する声明を発表していないが、外務省は17日、アフガニスタン国内からパキスタンに攻撃を仕掛ける武装勢力に厳しい措置を取るようタリバンに求めた。

パキスタンはタリバンの政権奪取以来、世界に先駆けてタリバン政府と協議を行い、国際社会にアフガンに関与するよう促してきた。

しかし、外務省は異例ともいえる厳しい表現でタリバンに対応を求めた。「テロリストはアフガニスタンの領土を利用してパキスタン国内で平然と活動しています..」

パキスタンとアフガニスタンの国境付近では昨年8月以降、緊張が高まっている。パキスタン政府はイスラム国(ISIS)などのイスラム過激派組織がアフガンから越境し、定期的にテロ攻撃を仕掛けていると主張している。

先週就任したパキスタンのジャバズ・シャリフ新首相が前任のイムラン・カーン氏のようにタリバンを支持するかどうかは定かではない。

中露との関係を重視したカーン氏はタリバンを支持しつつ、国境付近のジハード組織を取り締まっていた。

一方、タリバンは国境付近のジハード組織を放置しているというパキスタンの主張を否定し、両国の国境に設置された2,700kmにおよぶ有刺鉄線付きのフェンスと厳しい国境警備を非難している。

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