◎ボートは米フロリダ州とキューバの間にある島の近くで21日に発見された。
米国を目指す中南米の亡命希望者たち(Getty Images)

米沿岸警備隊は23日、中米バハマ諸島沖で亡命希望者とみられるハイチ人396人を乗せたボートが拿捕されたと明らかにした。

バハマの移民局によると、ボートは米フロリダ州とキューバの間にある島の近くで21日に発見されたという。

人々は南部の島イナグアに移送され、本国に送還される予定だ。

米沿岸警備隊の広報担当はAP通信の取材に対し、「バハマの沿岸警備隊は21日午後にボートを発見した」と明らかにした。

また広報担当は「全長50フィート(約15m)のボートに400人が押し込まれていた」と語った。「ボートが定員超過であることは明らかであり、極めて危険な状態でした...」

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件と8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは半年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって戦闘を繰り広げており、国連はこの抗争で民間人数百人が死亡または行方不明となり、数十万人が国内避難民になったと推定している。

この半年で亡命を試みたハイチ人は数千から数万人と推定されているが、正確な数字は不明。その多くが米フロリダ州を目指し、ボートで危険な旅に出る。

しかし、その多くがバハマやキューバ沖で拿捕され、間違ってキューバに上陸した移民もいる。

バイデン(Joe Biden)米大統領は最近、不法入国者の急増に対処する新たな規則を発表。テキサス州に不法入国したキューバ、ハイチ、ニカラグア、ベネズエラ人の取り締まりを強化した。

この規則はキューバ、ハイチ、ニカラグア、ベネズエラの亡命希望者を毎月3万人受け入れ、2年間の労働許可を与えるとしているが、許可を得るためには身元確認を含む「正規の入国手続き」をクリアしなければならない。

2022年5月25日/キューバ、ビジャクララの避難所、ハイチの亡命希望者たち(Ramon Espinosa/AP通信)
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