◎バンクマンフリード容疑者は顧客の資金数十億ドルを自身の投資会社であるアラメダ・リサーチを支えるために使用したと疑われている。
2022年12圧13日/バハマ、首都ナッソーバンクマンフリード容疑者と警察関係者(Rebecca Blackwell/AP通信)

バハマ当局は20日、暗号通貨(仮想通貨)交換業大手FTXトレーディングの創業者であるバンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)容疑者が米国への身柄引き渡しに必要な法的文書に署名したと明らかにした。

ロイター通信によると、容疑者は20日の正午頃に文書に署名し、首都ナッソーの裁判所は21日に引き渡し審理を開く予定だという。

裁判所が引き渡しを認めれば、バンクマンフリード容疑者の身柄は米国に移ることになる。

ロイター通信によると、バンクマンフリード容疑者の弁護士は取材に応じなかったものの、容疑者は身柄引き渡しに同意する意向を示したという。

ニューヨーク南部地区(SDNY)の検察当局は先週、米国史上最大の金融詐欺を主導したとしてバンクマンフリード容疑者を起訴した。

容疑者はバハマ裁に身柄引き渡しに異議を唱えたが、ロイターは情報筋の話を引用し、「容疑者は異議を取り下げる」と報じた。

ロイターによると、容疑者の弁護士と在バハマ・米国大使館の職員が20日にナッソーの裁判所を訪れたという。容疑者は姿を見せなかったようだ。

FTXは先月、暗号通貨取引所アラメダ・リサーチが買収計画から手を引くと発表した後、米裁判所に連邦破産法11条の適用を申請。バンクマンフリード容疑者はCEOを辞任し、顧客は資金を引き出せなくなった。

米裁判所によると、FTXは最大手の債権者50社に約31億ドルの債務を負っているという。

バンクマンフリード容疑者は顧客の資金数十億ドルを自身の投資会社であるアラメダ・リサーチを支えるために使用したと疑われている。同社もFTXと同じタイミングで破産を申請した。

SDNYは先週、「バンクマンフリード容疑者の行為は米国史上最大の金融詐欺の1つに相当する」と指摘した。

バハマ裁判所は逃亡の恐れがあるとして容疑者の保釈請求を却下し、来年2月8日まで矯正施設に勾留するよう命じている。

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