◎カリブ海では頼りないゴムボートで近隣諸国に脱出を試みる亡命希望者の事故が相次いでいる。
2021年9月28日/中米ハイチ沖、移民を乗せたボートと沿岸警備当局(U.S. Coast Guard)

米沿岸警備隊は22日、プエルトリコとドミニカ共和国の間にある無人島の岩場でハイチ人27人を発見、救助したと発表した。

報道によると、沿岸警備隊は6月7日にプエルトリコ沖のモニト島付近で密輸船を発見し、捜索活動を開始したという。

沿岸警備隊は声明で、「人身売買に関与した3人を逮捕し、海に飛び込んだハイチ人27人のうち9人をその場で救助した」と述べている。

警備隊は18人の救助も試みたが、波が荒く近くに岩場があったことを受け、救助活動を一時停止した。この時、18人は岩場に避難し溺れる心配はなかったため、警備隊は岩場に食料と水を放り投げ、一時撤退した。

警備隊は翌日現場に戻り、18人を無事救助した。

カリブ海では頼りないゴムボートで近隣諸国に脱出を試みる亡命希望者の事故が相次いでいる。

米国沖で先月沈没した過積載のボートには60~75人の亡命希望者が乗船していたとみられる。沿岸警備隊は38人を救助し、11人の遺体を回収した。死亡した11人は全員ハイチ国籍の女性だった。

沿岸警備隊は昨年10月1日から5月31日までに64件の違法入国を取り締まり、ドミニカ共和国の移民1200人以上とハイチ人350人以上を拘束したとしている。

当局によると、この1年で拘束されたハイチ人の数は、例年に比べると格段に多いという。

ハイチでは昨年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件以来、暴力が急増し、政府と対立するギャングが首都ポルトープランス近郊まで勢力圏を広げ、各地でギャング間抗争が相次いでいる。

2021年10月23日/ハイチ、首都ポルトープランスのガソリンスタンド(Getty Images/AFP通信/EPA通信)
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