▽ポルトープランスの大統領府と議会周辺では数週間前から小規模なデモが行われている。
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中米ハイチの首都ポルトープランスで4日、暫定大統領評議会と政府に抗議するデモが行われ、数十人が参加した。
デモ隊は評議会とフィゼメ(Alix Didier Fils-Aimé)首相に辞任を求め、ゴミ箱やタイヤに火をつけた。
ポルトープランスの大統領府と議会周辺では数週間前から小規模なデモが行われている。
デモに参加した男性は地元メディアの取材に対し、「国民が求めているのは平和だけだ」と語った。
別の男性は「ギャングが自分の生まれ故郷を荒らし、民家や店舗を破壊している」と嘆いた。「ギャングにコミュニティを荒らされ、家を追われた何万人もの人たちがその場しのぎの粗末なキャンプで暮らしています...」
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では「グラン・グリフ」とみられるギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
一連の暴力とギャング間抗争により100万人以上が住居を失い、その多くが避難所に身を寄せている。
初めてデモに参加したという女性はX(旧ツイッター)に「子供たちがギャング犯罪に巻き込まれている」と投稿。暫定大統領評議会を非難し、新政府の樹立を求めた。