ハイチ警察がコカイン1トン押収、容疑者3人射殺
ハイチ国内でこの規模の摘発が行われたのは数年ぶり。
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中米ハイチの国家警察が沖合でコカイン1トンを押収し、銃撃戦の末、3人を射殺した。当局が16日、明らかにした。
それによると、事件は北部海岸近くで15日に発生。沿岸警備隊が不審な船を発見し、船員に停船を求めたという。
国家警察の担当官は15日、地元ラジオ局の取材に対し、「警察官は密売人たちに手を上げるよう命じたが、密売人たちは従わず、代わりに発砲した」と語った。
警察官たちはこれに応戦、銃撃戦となった。
AP通信は目撃者の話しとして、「ボートに乗っていた4人のうち2人が撃たれた後、海に落ち、飛び込んだ2人のうち1人が浜辺で撃たれて死んだ」と伝えている。
警察は4人目の容疑者を逮捕。警察官にケガはなかった。
APによると、ハイチ国内でこの規模の摘発が行われたのは数年ぶり。
米政府は以前、ハイチの有力者が麻薬密売に関与していると指摘していた。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
首都ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は先週末、ハイチでギャング暴力が激化し、24年10月以降、ポルトープランスとその周辺で約5000人が殺害され、数十万人が新たに避難を余儀なくされたと明らかにした。