◎ニカラグアは2018年4月の暴動以来、政治的・社会的混乱に陥っている。
2022年11月6日/ニカラグア、首都マナグアの投票所(AP通信)

ニカラグアの選挙管理委員会は7日、統一地方選の結果を公表し、独裁者のオルテガ(Daniel Ortega)大統領率いる与党「サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)」が153の自治体すべてで過半数を獲得したと発表した。

投票は6日に行われた。

地元の独立系メディアと活動家は選挙結果を「詐欺」と呼び、オルテガ政権の野党弾圧を糾弾した。

FSLNは改選前の時点で141の市町村を支配していた。

地元の独立系メディアは「野党が過半数を保持していた12市町村はオルテガ政権の弾圧に屈した」と報じている。報道によると、非合法化された野党の元議員を含むFSLNの対立候補数十人が立候補を禁じられ、一部は拘束されたという。

FSLNは主要な対立候補がいなくなった12市町村で圧勝した。

米ワシントンD.C.を拠点とする人権団体「米州人権委員会(IACHR)」は4日、ニカラグアで公正な選挙が行われる可能性がないことに深刻な懸念を表明した。

IACHRはオルテガ政権に対し、民主主義を再構築し、反政権派の弾圧を止めるよう求めた。

オルテガ氏は反対意見を取り締まるために約2000の非政府組織と50以上のメディアに閉鎖を命じている。国営テレビは4日、約100の市民団体が閉鎖を命じられたと報じた。

オルテガ氏の妻であるムリジョ(Rosario Murillo)副大統領は7日、国営テレビのインタビューで「公正な選挙による平和と善を中心とした統一こそ、最善の道」と語った。「私たちは今日、平和を願う国民の声を再確認しました...」

ニカラグアは2018年4月の暴動以来、政治的・社会的混乱に陥っている。

暴動以来、20万人以上のニカラグア人が国外に脱出し、そのほとんどが隣国コスタリカに逃れた。

オルテガ氏は昨年11月の総選挙に先立ち、主要な野党関係者6人を刑務所に送った。再選以来、オルテガ氏は反対派をさらに厳しく取り締まるようになり、著名なローマカトリックの司教やその他の聖職者も逮捕・収監された。

2018年9月11日/ニカラグア、オルテガ大統領(右)と妻のムリジョ副大統領(Getty Images/AFP通信)
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