◎独裁者のオルテガ大統領によって逮捕・投獄された222人は2月9日に刑務所から連れ出され、米国行きの便に強制搭乗させられた。
2018年9月11日/ニカラグア、オルテガ大統領(右)と妻のムリジョ副大統領(Getty Images/AFP通信)

ニカラグア政府は9日、今年2月に国外追放した反体制派222人の資産を没収した。

独裁者のオルテガ(Daniel Ortega)大統領によって逮捕・投獄された222人は2月9日に刑務所から連れ出され、米国行きの便に強制搭乗させられた。

その中には野党政治家、弁護士、権利活動家、ジャーナリスト、与党・サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)の関係者が含まれている。

首都マナグアの裁判所は声明で、「反逆者222人が国内に保有する資産を没収した」と述べている。彼らは追放時に市民権も剥奪されている。

地裁は声明の中で、「反逆者222人は国家の主権、独立、自決に反する行為を行い、有罪判決を受け、不動産や株式を含む国内に保有する全ての財産の権利を失った」と主張している。

222人は公正な裁判を受けることなく刑務所に押し込まれ、その中にある秘密裁判所で実刑を言い渡された。

AP通信はスペインの首都マドリードで生活する野党活動家の話しとして、「没収はどのような観点から見ても完全に違法、違法、違法である」と報じた。

2018年のオルテガ政権による抗議デモ弾圧以来、政治家など数千人が近隣諸国に亡命し、市民数万人が国外に逃亡している。地元の人権団体はこの弾圧で355人が死亡、2000人以上が負傷したと報告している。

オルテガ氏はデモ参加者を「テロリスト」と呼び、国家転覆を企てる組織や外国軍の支援を受けていると主張。弾圧を擁護した。

オルテガ氏と与党は2021年11月の総選挙で野党を打ち負かした。当局は選挙前に野党の大統領候補7人を逮捕・投獄している。

オルテガ氏は「ヤンキー帝国(米国)が野党に資金を提供し、国家転覆を企てた」と主張。この取り締まりに合わせて数百のNGOを閉鎖に追い込んだ。

スペイン政府は222人に市民権を与えている。

スポンサーリンク