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▽地元メディアはこの施設を「屠殺場」「人間解体施設」などと呼んでいる。
2025年3月14日/メキシコ、西部ハリスコ州、麻薬カルテル「ハリスコ新世代」が運営する施設(ロイター通信)

メキシコハルフッシュ(Omar Garcia Harfuch)治安・市民保護相は25日、西部ハリスコ州で麻薬カルテルの集団墓地が見つかった事件について、「カルテルがそこで市民を”殺処分”した証拠はなく、カルテルの勧誘を拒んだものが殺された」という見方を示した。

行方不明者を捜索するNGOは今月初め、ハリスコ州郊外のカルテル施設で何百もの靴やリュックサックなどの所持品とともに、数百の人骨を発見した。

この施設はハリスコ新世代が運営。ハリスコ州グアダラハラから60キロほど離れた砂漠地帯にある。行方不明者の親族たちが参加するNGOはこの敷地内に入って家族の持ち物を探していた。

地元メディアはこの施設を「屠殺場」「人間解体施設」などと呼んでいる。

ハルフッシュ氏は記者会見で、「そこがカルテルの殺処分場であったという証拠はなく、カルテルの訓練場として運営され、警察は勧誘を断った者が殺されたと考えている」と述べた。

またハルフッシュ氏はカルテルが拷問や殺人を行っていることに言及する一方、「今回見つかった施設で殺処分が行われたという証拠は見つかっていない」と主張した。

ハリスコ州は同国で最も危険な州のひとつであり、世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの宿敵ハリスコ新世代の本拠地がある。

ハリスコ州でこのような集団墓地が見つかることは珍しくない。

今回NGOが調べた施設は昨年9月に州当局が一度捜索を行っていた。

当局は当時、ハリスコ新世代の構成員とみられる10人を逮捕、2人の人質を救出し、1人の遺体を発見したと明らかにしていた。

NGOは地元テレビ局のインタビューでこの施設を「絶滅収容所」と呼んでいた。

国務省は先月、ハリスコ新世代やシナロア・カルテルを含む中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定した。

カナダ当局もこれに続き、ハリスコ新世代を含む7つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定した。

メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。

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