◎紆余曲折の末、専用機は9200万ドルでタジキスタン政府に売却された。
メキシコ、大統領専用機(ロイター通信)

せりにかけられたメキシコ大統領の専用機が15日、中央アジアのタジキスタンに無事到着した。

オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は2018年の大統領選で専用機(ボーイング787型機ドリームライナー)の売却を公約のひとつに掲げて当選し、それを前政権の無駄遣いと批判していた。

しかし、せりは4年以上進展せず、抽選で選ぶという政府の試みも失敗に終わった。

紆余曲折の末、専用機は9200万ドルでタジク政府に売却された。

地元メディアによると、専用機は保管されていた米カリフォルニア州を飛び立ち、15日早朝にタジクの首都ドゥシャンベに到着したという。

この専用機はカルデロン政権が2012年に2億1800万ドルで購入。カルデロン(Felipe Calderon)氏の後継であるペニャニエト(Enrique Pena Nieto)前大統領に引き継がれた。

オブラドール氏はこれを使わず、速やかに売却すると宣言。就任以来、民間の航空機を使って移動している。

せりは予想通り、うまく行かなかった。

専用機は大統領の寝室や大理石・マホガニー仕上げなど、豪華な内装を持つ一方で、80人しか乗れないよう改造され、1人あたりの輸送費が高額になっていた。

専用機はオブラドール氏が就任した翌日、2018年12月2日にセリにかけられた。しかし、買い手が見つからなかったため、オブラドール氏はくじ引きで選んではどうかと提案した。

メキシコ市民は天文学的な維持費がかかる専用機が当たる通称ジェットくじをジョークと笑い飛ばした。

メキシコ大統領府は保管するだけで膨大な維持費がかかるジェットの売却に安堵しているようだ。

地元メディアによると、オブラドール氏はタジク政府が専用機を競り落とした際、喜びのあまり飛び上がり、米カリフォルニア州まで足を運んで専用機に乗り込み、記念撮影をしたという。

スポンサーリンク