◎火災は先月27日に発生。施設に収容されていた移民40人が死亡し、数十人が重軽傷を負った。
メキシコの検察当局は14日、北部チワワ州シウダー・フアレスの移民収容施設で先月発生した火災について、移民局の職員3人を逮捕したと発表した。
この火災は先月27日に発生。施設に収容されていた移民40人が死亡し、数十人が重軽傷を負った。
警察は移民局の職員3人、警備員1人、ベネズエラの移民1人を逮捕している。この5人は殺人や放火など、複数の容疑で起訴されるとみられる。
チワワ州地検の報道官は14日の声明で、「移民局の物資を取り扱う現場責任者と施設の運営業務に当たる職員2人を新たに逮捕した」と述べている。
シウダー・フアレスの移民局責任者も出廷を命じられているが、逮捕はされていない。
州警察によると、強制送還されると知った移民(逮捕されたベネズエラ人とみられる)がマットレスに火を放ち、火災を引き起こしたという。
移民たちは強制送還されることに抗議していたようだが、それ以上の詳細は明らかになっていない。
移民局の長官は4月21日に出廷する予定だ。地検は施設の運用に問題があったことを示す証拠を提示するとみられる。
地検は今週、移民局の責任者を含む幹部の刑事責任を問うと発表していた。
しかし、オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は一部の移民施設が汚職の温床になっているという告発を否定し、長官を擁護した。
連邦検察は移民施設の問題が以前から指摘されていたにもかかわらず、長官ら幹部が問題を棚上げし、今回の悲劇を誘発したと非難している。
地検は声明の中で、「シウダー・フアレスの施設を含む多くの移民施設で無責任な運営・行動が何年にもわたって続き、不作為が繰り返されていた」と指摘した。
シウダー・フアレスはメキシコで最も治安の悪い都市のひとつとされ、麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」の支援を受けるギャングなど、複数の武装集団が支配権を争っている。一部のメディアは移民局の職員がカルテルとつながっていると報じた。
消防によると、火災発生時、施設の入り口は厳重に施錠され、誰一人外に出れない状態だったという。40人は一酸化炭素中毒で死亡したとみられる。