◎オブラドール政権が民間企業の設備を接収したのは今年2回目。
メキシコ、テワンテペク地峡の太平洋岸(Getty Images)

メキシコ政府が19日、南部のテワンテペク地峡に海軍を派遣し、私鉄が運用する路線の一部を接収した。

オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領はこれが収用に当たるかどうかを明らかにしていない。

中央政府は首都メキシコシティに本社を置く企業GMT(Grupo Mexico Transportes)が運営する路線の一部を接収したことについて、「企業には補償金を支払う」と主張した。

オブラドール政権は太平洋岸の港とメキシコ湾を結ぶ鉄道・港湾網を建設する予定で、今回接収した路線を活用したいと考えているようだ。

この地域では工業団地やLNG基地の建設計画が持ち上がっている。

しかし、GMTは19日の声明で海軍を「武装勢力」と呼び、政府の決定に怒りと不満を表明した。「我が社は武装勢力による驚くべき設備買収(接収)に驚いており、関係部門や投資家などと情報を共有・分析しています...」

それによると、海軍はGMTが運用する路線の一部、約100kmの区間を占領したという。GMTは「対象区間の列車は武装勢力の監視の下、運行を継続している」と述べた。

政府は接収について、通常収用で使われる用語である「公共の利益」を理由に挙げている。しかし、大統領府は収用か否かには言及しておらず、声明も出していない。

オブラドール氏は太平洋岸にある線路の所管を海軍に移管している。

オブラドール政権が民間企業の設備を接収したのは今年2回目である。3月には米アラバマ州の企業が所有するカリブ海沿岸の港を接収した。

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