◎9人の遺体はパイプライン近くの車の中に押し込まれていた。
2018年6月22日/メキシコ軍の兵士(Getty Images)

メキシコ中部ケレタロ州の石油パイプライン近くで9人の遺体が見つかった。警察当局が9日、明らかにした。

それによると、9人は石油の窃盗に関与した可能性があるという。死因は明らかにされていないが、地元メディアは関係者の話しとして、「9人の遺体はパイプライン近くの車の中に押し込まれていた」と伝えている。

メキシコでは国営企業のパイプラインから石油、天然ガス、その他燃料を盗む事件が年間5000件以上報告されている。

AP通信によると、9人の遺体は2台の車の中から発見されたという。

オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は2018年末の就任以来、麻薬カルテルやギャングによる燃料窃盗・パイプライン攻撃を阻止することを目標のひとつに掲げてきた。

しかし、パイプラインの警備に陸軍兵士数千人が投入されているにもかかわらず、毎年何千件もの窃盗が報告されている。

2023年の窃盗件数は約5600件。22年の7000件超から減少したものの、オブラドール氏が就任した18年とほぼ同じ水準である。

政府は盗んだ燃料の販売を取り締まり、数年間はその量を減らすことに成功した。盗まれた燃料は道端で販売されることが多く、認可を受けたガソリンスタンドで販売されることもある。

国営石油会社の損失は2019・20年に年間2億7500万ドルまで減少。しかし、取り締まりの効果は長続きせず、22年には11億ドルを超えた

パイプラインの燃料窃盗はギャング間抗争に発展することがある。

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