◎メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。
2023年1月1日/メキシコ、北部チワワ州シウダー・フアレスの刑務所、州兵と習警察(Christian Chavez/AP通信)

メキシコ陸軍は22日、麻薬カルテルによる路上爆弾やIED(即席爆発装置)の使用が急増しており、今年これまでに陸軍兵士や警察官など42人が死傷していると明らかにした。

国防省によると、今年に入ってから州兵1人と警察官4人が爆弾攻撃で死亡しているという。

その中でも特に増加しているのがドローンによる爆弾攻撃で、ここ数年で急増したようだ。国防省によると、今年全国で確認されたドローンによる爆弾攻撃は260件。

カルテルとギャング間抗争が続く西部ミチョアカン州では爆弾を投下するドローンがほぼ毎日目撃されている。

今年確認された自動車爆弾攻撃は6件。昨年はわずか1件だったが、数年前にもギャング間抗争で何度か自動車爆弾が使われたと伝えられている。

IEDは道路脇、ドローン、車など、様々な場所に設置できる。今年全国で確認されたIEDは556個に上った。

現政権中に発見されたIEDの半数以上が麻薬カルテル「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」と地元ギャングの抗争下にあるミチョアカン州で見つかった。

西部ハリスコ州のカルテルもしくはギャングは7月、道路脇にIEDとみられる爆発物を設置し、警察官4人と民間人2人を殺害した。同州知事はカルテルによるテロ攻撃と糾弾したが、犯行声明は確認されていない。

6月には隣のグアナフアト州でカルテルのものとみられる自動車爆弾が爆発し、州兵1人が死亡した。

メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。

中北部、西部、米国国境付近などでは世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」や№2のハリスコ新世代、その他の武装ギャングや犯罪集団が縄張り争いを繰り広げている。

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