◎ジャマイカでは犯罪が多発しており、殺人事件の発生率は中南米諸国の中でベネズエラに次いで高くなっている。
ジャマイカ、首都キングストンのライブ会場入り口(Getty Images)

ジャマイカの規制当局は13日、麻薬や銃使用などの「違法行為を賛美する」コンテンツの発信を禁止した。

地元メディアは政府関係者の話を引用し、「音楽、テレビ、ラジオで違法コンテンツを発信してはならず、違反したメディアは処罰の対象となる」と報じている。

詐欺、薬物乱用、銃器の使用を「宣伝」することもできなくなるようだ。

一部のミュージシャンはこの禁止令に不満を表明している。

ジャマイカでは犯罪が多発しており、殺人事件の発生率は中南米諸国の中でベネズエラに次いで高くなっている。

規制当局は違法行為を賛美する音楽やテレビが国民に誤った印象を与え、犯罪を助長している恐れがあると指摘している。

禁止令は「公共の電波をクリーンに保ち、あらゆる形態の違法・犯罪コンテンツを禁じ、放送各社はこれを遵守する措置を直ちにとる必要がある」としている。

規制当局は違法コンテンツが若年層や傷つきやすく感受性の強い若者を犯罪に走らせる可能性があると説明し、禁止令を擁護した。

しかし、一部のミュージシャンやアーティストは禁止令に不満を表明している。

地元の音楽マネージャー兼プロデューサーのRomeichはインスタグラムに、「自分が見たものや感じたことを歌にすることを止めることはできない」と投稿している。

あるツイッターユーザーは、「犯罪や薬物を賛美する歌を聞いても犯罪に走ろうとは思わない」と投稿している。

グラミー賞を受賞した音楽プロデューサー兼レゲエ歌手のDi Giniusもツイッターで不満を表明した。「よし!犯罪や暴力が魔法のように止まりそうだ」

Di Giniusは「若者はテレビやラジオよりインターネットで音楽を聴いているよ」と指摘した。

ジャマイカで一部の音楽が禁止されたのは今回が初めてではない。2009年には性、暴力、殺人、放火を助長する音楽が禁止され、その結果、「男性ダンサーが女性ダンサーの臀部に股間を当てるダンス」が大流行した。

規制当局は声明で「表現の自由を尊重する必要がある」と述べる一方、「犯罪を助長するコンテンツは責任ある放送の信条と相反するものである」と述べている。

あるツイッターユーザーは、「犯罪率の低い国は毎日お花畑の映像をテレビで流しています」と規制当局の決定を皮肉った。「お花畑で犯罪率が低下するなら、誰も苦労しません...」

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