◎気象当局によると、ハリケーン「フィオナ」のカテゴリーは5段階で最も低いレベル1だったが、広い範囲で大雨が降り、一部地域の雨量は600mmに達したという。
2022年9月18日/米領プエルトリコ、首都サンフアン郊外(Stephanie Rojas/AP通信)

米領プエルトリコにハリケーン「フィオナ(fiona)」が上陸し、猛威を振るった。

政府によると、送電系統が完全に停止し、全土で停電が発生したという。

送配電線を管理するルマ・エネジー(Luma Energy)社は18日の声明で、「複数の系統で事故が発生した」と報告している。復旧の目途は立っていない。

気象当局によると、フィオナのカテゴリーは5段階で最も低いレベル1だったが、広い範囲で大雨が降り、一部地域の雨量は600mmに達したという。

バイデン(Joe Biden)大統領は同島に非常事態を宣言し、連邦予算を割り当てた。

ルマ・エナジー社によると、送電線の復旧には数日かかる可能性があるという。

首都サンフアンの医療機関は自家発で機能を維持していると伝えられているが、郊外の小さな病院や保健所は発電機の確保に苦労しているようだ。

政府報道官は声明で、「救助隊は被災者の支援と発電機の確保に奔走している」と説明した。

港は閉鎖され、空港は全便欠航となった。

米国立ハリケーンセンター(NHC)は風より雨に警戒するよう市民に呼び掛けている。AP通信によると、一部の河川では鉄砲水が発生したという。死者は確認されていない。

公立学校と政府機関は19日も閉鎖される予定。政府報道官は知事の声明を引用し、避難指示が出ている地域の住民に身の安全を確保するよう呼びかけている。

仏領グアドループ島でも大雨が降り、洪水で1人が死亡したと報告されている。

米領プエルトリコは5年前に上陸したハリケーン「マリア(Maria)」の被害から回復できずにいる。マリアは同国史上最大の被害をもたらし、3000人近くが死亡、被害総額は900億ドルと推定されている。

マリアは島の送配電設備に壊滅的な被害をもたらし、送電系統は5年経った現在も脆弱なままであり、停電が多発している。

ハリケーンフィオナはドミニカ共和国にも大雨をもたらすと予想されている。

2022年9月18日/米領プエルトリコ、首都サンフアン郊外の集落(Stephanie Rojas/AP通信)
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