◎シオマラ・カストロ氏は1月27日に就任する予定。
2022年1月22日/ホンジュラス、首都テグシガルパ、シオマラ・カストロ・デ・セラヤ次期大統領(中央)(Elmer Martinez/AP通信)

1月23日、ホンジュラス議会の与党は昨年11月の総選挙で選出されたシオマラ・カストロ・デ・セラヤ氏の改革案をめぐって激しく対立し、分裂した。

シオマラ・カストロ氏は1月27日に就任する予定で、貧困、暴力、不安に対処すると有権者に約束し、対立候補に圧勝した。米国もホンジュラス初の女性大統領を歓迎している。

<ホンジュラス2021大統領選挙の結果>
・シオマラ・カストロ・デ・セラヤ 964,694票(53.61%)
・ナスリ・アスフラ 607.492票(33.87%)
・その他の候補

<ホンジュラス2021議会選挙の結果 定数128>
・Libre(自由と復興党) 50議席
・国民党 44議席
・自由党 22議席
・PSH(救世主党) 10議席
・その他

しかし、シオマラ・カストロ氏の夫であるマヌエル・セラヤ元大統領率いるLibreの一部議員は連立交渉と次期大統領の改革案に反対し、混乱を引き起こした。反対派は一党が議席の過半数を獲得すれば、国民党と同じ失敗を繰り返すことになると懸念を表明している。

国民党は2009年のクーデター後の選挙で勝利し、2013年に就任したフアン・オルランド・エルナンデス大統領のもと、権威主義体制を確立した。

米ニューヨークの検察はエルナンデス大統領を麻薬密売容疑で告発しているが、エルナンデス大統領は関与を否定している。なお、エルナンデス大統領の兄弟は国家規模の麻薬密売に関与した容疑で起訴され、2020年に米国の裁判所で終身刑を言い渡された。

シオマラ・カストロ氏を支持する市民数百人は22日の午後に議会を取り囲み、新政権の改革案をサポートするよう反対派に呼びかけた。

首都テグシガルパの政府庁舎に集まった一部の議員は、問題について協議したと伝えられている。

国民党のホルヘ・カリックス議員は「民主的な選挙で勝利したシオマラ・カストロ氏を支持する」と声明を発表した。

しかし、別の施設に集まったグループは大統領選の予備選でシオマラ・カストロ氏に敗れた候補を支持すると表明した。

混乱はサルバドル・ナスララ副大統領率いるPSHとの連立交渉に影響を与える可能性がある。PSHの一部議員は新政権発足前にLibreを崩壊させると主張していた。

ホンジュラスの政治アナリストであるジョスエ・ムリーリョ氏はAP通信の取材に対し、「反対派の議員は私利私欲を追求している」と述べ、分裂は政権運営に致命的な影響を与えると警告した。

一方、シオマラ・カストロ氏は22日の声明で、反対派のLibre議員18人を追放すると発表した。

野党国民党はシオマラ・カストロ氏の声明に素早く反応し、追放された18人を受け入れると申し出た。18人が申し出を受けるかどうかは不明。

米国のホンジュラス大使館は分裂に懸念を表明し、「冷静さを保ち、対話を確立し、暴力と挑発を控える必要がある」とツイートした。

昨年の大統領選に立候補したオルバン・バリダレス氏は地元メディアの取材に対し、「エルナンデス大統領が分裂を煽った可能性がある」と指摘した。「次期大統領は仲間に裏切られ、窮地に立たされています...」

Libreを率いるマヌエル・セラヤ前大統領はツイッターに、「反対派の主張は認められず、裏切り者は追放されるだろう」と投稿した。

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