◎ホンジュラス政府の政策は隣国エルサルバドルのブレケ政権がギャング掃討戦で大きな成果を上げたことを反映している。
ホンジュラスのカストロ大統領(Getty Images)

ホンジュラスカストロ(Xiomara Castro)大統領は15日、ギャングによる暴力に対処する取り組みの一環として、ギャング専用の巨大刑務所を建設すると発表した。

カストロ氏はテレビ演説で、刑法を改正して麻薬密売人をテロリストに指定したり、組織犯罪との闘いを見直したり、収容人数2万人のギャング専用刑務所を新設すると明らかにした。

カストロ氏の政策は隣国エルサルバドルのブレケ政権がギャング掃討戦で大きな成果を上げたことを反映している。

ブケレ政権は昨年、ギャングまたはそれとつながりのある受刑者、最大4万人を収容できる巨大刑務所を建設した。

カストロ氏は「ギャングの暴力、麻薬取引、マネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪をさらに厳しく取り締まる必要があり、そのためには新たな刑務所が必要だ」と語った。

またカストロ氏は「国民およびギャングと戦う治安部隊の命を守ることが最重要課題であり、刑法改正を含む必要な措置を取るつもりだ」と強調した。

陸軍の参謀総長によると、東部オランチョ県近郊に最大2万人を収容できるギャング向けの刑務所を建設する予定。

首都テグシガルパに拠点を置く人権団体CONAPREVは昨年、警察の取り締まり強化により、全国の刑務所の収容者数は定員の1万3000人を大きく上回る1万9500人に達したと報告していた。

この取り締まりはギャング暴力に抑止につながっている。内務省は先週、24年1~5月の殺人件数が前年同期比で20%減少したと発表した。

一方、隣国エルサルバドルで昨年確認された殺人事件は214件。2015年に記録した6656件の30分の1にまで減少した。

人権団体はブケレ政権によるギャング非常事態令に深刻な懸念を表明しているが、多くの中南米諸国が殺人件数の激減をうらやみ、一部の国が似たような措置を取る可能性を示唆している。

スポンサーリンク