▽国家警察は3月初旬にドローン部隊の運用を開始した。
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中米ハイチ・首都ポルトープランスで国家警察とギャングの戦闘が激化する中、武装ドローンによる被害が相次いで報告されている。
国家警察は3月初旬にドローン部隊の運用を開始した。
多くの国民がドローンの導入に賛成し、警察が反転攻勢に出ることを期待している。複数の人権団体もこの戦術を支持した。
しかし、多くの専門家が住宅地での武装ドローン投入に懸念を表明している。
人口密度の高いポルトープランスの民家の多くが木造であり、ドローンが墜落し火事になったという報告が多数ある。
国家警察はドローン部隊の詳細を明らかにしておらず、誰が指揮しているかも不明だ。
現地メディアによると、この部隊は暫定大統領評議会とフィゼメ(Alix Didier Fils-Aimé)首相が今年創設したタスクフォースによって運営されているという。
どのようなドローンを使っているかも分かっていない。一部の地元メディアは先月末、ドローンが爆弾を投下し、その後、ギャングの拠点に突っ込んだと伝えている。
ロイター通信によると、ドローンによる攻撃を開始して以来、少なくとも9人の民間人が負傷。うち2人は重度の火傷を負い、病院で治療を受けているという。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は先月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているとされる。