▽最新のギャング間抗争は今月初め頃に発生し、ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているとされる。
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中米ハイチの国家警察は首都ポルトープランスでギャング間抗争が激化する中、治安を確保するための対策を公表した。地元メディアが21日に報じた。
それによると、警察は▽市内の警備体制を強化▽複数の地区に検問所を設置▽主要道路の利用者の身元確認などを実施する予定だという。
国家警察は声明で、「これらの措置はギャングに対抗する取り組みのひとつである」と述べた。
対象エリアは政府庁舎があるポルトープランス中心部、国際空港周辺、ギャングの支配下に置かれていない2地区。その他のエリアについてはギャングを追い出し次第、実施するとしている。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は今月初め頃に発生し、ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているとされる。
国家警察の報道官は記者会見で、これらのギャングの進撃を食い止める措置について言及しなかった。
ポルトープランスでは数日前から政府とギャング暴力の激化に抗議する小規模なデモが行われている。20日のデモでは機動隊と参加者が衝突し、少なくとも1人が死亡、3人が負傷したと伝えられている。
一部の地元メディアは機動隊が実弾を使用したと伝えているが、詳細は明らかになっていない。
それによると、一部のデモ参加者はナタや斧で武装し、ギャングの支配地域に向かって行進。その途中で機動隊と衝突したとみられる。
デモ隊は政府がギャングを野放しにしていると非難。全戦力を投入してギャングを一網打尽にするよう訴えている。
ハイチ国連支援ミッションには約800人のケニア国家警察を中心に、ジャマイカ、グアテマラ、エルサルバドルなどの兵士や警察官が参加しているが、今のところ何の成果も得られていない。