◎ギャングは国際空港を含む複数の公共施設を2月29日に急襲。2つの警察署を支配下に置いた。
2021年10月22日/ハイチ、首都ポルトープランスのラサリーネ地区、ギャンググループ「G9&Family」の構成員(Getty Images)

ハイチ国家警察は1日、首都ポルトープランスの大部分を支配する武装ギャングが機動隊に攻撃を仕掛け、警察官少なくとも4人が死亡したと明らかにした。

それによると、ギャングは国際空港を含む複数の公共施設を2月29日に急襲。2つの警察署を支配下に置いたという。

国家警察の報道官は地元ラジオ局の取材に対し、「ポルトープランスは戦争状態であり、ギャングの暴力に圧倒されている」と語った。

また報道官は「ギャングはロケットランチャー、手榴弾、対人地雷、ライフルなどで機動隊を攻撃した」と述べた。

地元メディアによると、同国最大の武装ギャング「G9&Family」を率いる元警察官の通称「バーベキュー(Jimmy "Barbecue" Cherizier)」が犯行声明を出したという。

バーベキューはフェイスブックに投稿した声明で、「国家警察の長官と政府閣僚を捕らえ、国連PKOの派遣を推進するアンリ(Ariel Henry)首相の帰国を阻止するために国際空港を狙った」と述べた。

報道によると、警察長官と閣僚が攻撃を受けたという情報はないものの、首相府の周辺でも何度か銃声が聞こえたという。

ポルトープランスの住民は銃撃戦が収まったことを受け、おずおずと日常生活に戻った。

国際空港も運航を再開している。

在米国大使館は1日午後、国際空港周辺で激しい銃撃戦が確認されたという報告を受けたと発表。米国民に対し、空港に近づかないよう注意喚起した。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年ほど前からG9&Familyを含む複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

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