◎ハイチ北部の都市ゴナイブでアリエル・アンリ首相を狙ったと思われる銃撃事件が発生した
2021年9月28日/ハイチ、首都ポルトープランスの政府庁舎、アリエル・アンリ首相(Odelyn Joseph/AP通信)

ハイチ政府によると、1月1日に北部の都市ゴナイブでアリエル・アンリ首相を狙ったと思われる銃撃事件が発生したという。

アンリ首相はゴナイブの教会で開催された独立記念日の式典に出席し、銃撃に直面した。ソーシャルメディアで共有された動画には、アンリ首相とボディガードと思われる男性が公用車に向かって走る様子が映っていた。

地元メディアによると、武装した男たちと治安当局の銃撃戦で1人が死亡、2人が負傷したという。3人の情報は明らかにされていない。アンリ首相にケガはなかった。

首相官邸は3日、AP通信の取材に対し、「盗賊とテロリストが教会を取り囲み、アンリ首相に攻撃を仕掛けた」と述べた。

ハイチ国家警察の報道官は3日の声明で、「当局は教会を含む地域一帯の安全を確保した」と述べた。容疑者の詳細は明らかにされておらず、逮捕されたか否かも不明。

ハイチは昨年7月のジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件と8月に発生したM7.2の大地震の影響で混乱状態に陥り、その後のギャングの台頭と燃料危機は混乱に拍車をかけた。地元メディアによると、国内の主要な燃料ターミナルは地元のギャングに占領されており、政府と警察は対応に苦慮しているという。

政府はモイーズ大統領の暗殺に関与したとされる傭兵組織と個人を追跡しているが、事件の全容はまだ解明されていない。

アンリ首相は新年のツイートで事件に触れ、緊張が続いているにもかかわらずミサを開催したゴナイブの司教に謝意を示した。

AP通信によると、アンリ首相は独立記念日を祝う演説を行う予定だったが、中止を余儀なくされたという。

暗殺されたモイーズ大統領も暴力的な抗議が増加したという理由でゴナイブ訪問を中止したことがある。

ハイチの経済はいくつかの自然災害で深刻な影響を受け、国連や国境なき医師団などの国際NGOが支援活動にあたっている。

モイーズ大統領の後任を決める選挙の日程はまだ公表されていない。

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