◎ハイチを含む中米の亡命希望者は米国への移住を希望している。
2020年8月/ハイチの移民希望者を乗せたボート(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

米税関国境警備局(CBP)は14日、158人のハイチ人移民がフロリダ州の海岸に上陸したと明らかにした。

CBPの広報担当によると、一行は一隻のボートで荒波を越えフロリダ州の近海にたどり着いたという。人々は現在、CBPの管理下に置かれている。

中米の亡命希望者は米国への移住を希望しているが、国境検問所と移民管理局の審査には数カ月から1年以上かかることも珍しくない。

フロリダ州当局は先週、356人のハイチ人移民を乗せたボートに対処したばかりである。

ABCニュースによると、158人は200mほど泳いで海岸に上陸したという。CBPは声明の中で、「人々は当局の保護下に置かれ、面接を受け、必要に応じて退去手続きなどを行う予定である」と述べた。

国境警備隊マイアミ・セクターのスロサー氏は、「負傷者が出なかったことが不幸中の幸いである」と述べたうえで、移民の密航に関わった組織を追跡する必要があると指摘した。

ABCによると、ボートには泳ぎ損ねた移民198人が取り残されていたという。CBPはボートの運航を阻止し、その後198人はハイチに送還された。

今年1月にはフロリダ海峡で移民40人を乗せた密航船が転覆した。当局は1人を救助したものの、5人の遺体を回収し、残り34人は行方不明のままである。

ハイチの経済と治安は昨年7月のジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件と8月の大地震で急速に悪化し、ギャングの台頭、進行中の燃料危機、インフレは混乱に拍車をかけた。

ハイチ当局は暗殺事件に関わったとされる現職警察官数人、元上院議員、コロンビアの傭兵などを逮捕しており、その数は40人を超えたと伝えられている。

国連のレポートによると、ハイチの人道的危機は日を追うごとに悪化し、2022年中に人道支援を必要とする人は人口の43%(490万人)に達する可能性があるという。

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