◎ホワイトハウスの高官はAP通信の取材に対し、米国はハイチ当局と連絡を取り、事件の解決を試みていると述べた。
2021年10月17日/オハイオ州ベルリンにあるクリスチャン・エイド・ミニストリーの標識(Tom E. Puskar/AP通信)

米主要メディアによると、ハイチの首都ポルトープランスで活動していた米国の聖職者12人と子供5人がハイチのギャングに誘拐されたという。

ハイチ警察の報道官はAP通信の取材に対し、「聖職者たちは10月17日にポルトープランス東部のガンティエで400マウォゾ(ギャンググループ)に拘束された」と語った。地元メディアによると、このギャングは今年初めにハイチの司祭5人と尼僧2人を誘拐したという。

400マウォゾはガンティエを含む東部のクロワ・デ・プーケ地区を支配し、誘拐やカージャックを生業としている。

米オハイオ州に拠点を置くクリスチャンエイドミニストリー(CAM)は声明で、「誘拐された17人は男性5人、女性7人、子供5人で構成されており、そのうち1人はカナダ人で残り16人は米国市民」と述べ、「人質にされた人々とその家族のために祈ってください」と呼びかけた。17人は孤児院の子供を支援するためにハイチを訪れた。

CAMの年次報告書によると、このグループは主に寄付を通じてハイチ人に避難所、医療、食料、衣類、教育の資金などを提供しているという。

ハイチは7月のジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件と8月に発生したM7.2の大地震で混乱状態に陥った。警察当局によると、ギャングの活動は7月と8月の混乱以降、急増したという。

ハイチは世界で最も誘拐発生率の高い国のひとつであり、ハイチの国連統合事務所によると、2021年の年初から8月までに321人が誘拐されたという。2020年に誘拐された人は234人だった。

一方、ワシントン・ポスト紙は、誘拐された1人がWhats appに投稿したメッセージを報じた。「私たちのために祈ってください!!私たちと運転手は人質にされています...」

400マウォゾは今年4月、人質の命と引き換えに身代金100万ドル(約1.1億円)を要求したと伝えられている。今回の誘拐事件で身代金が要求されたかどうかは明らかにされていない。

ホワイトハウスの高官はAP通信の取材に対し、米国はハイチ当局と連絡を取り、事件の解決を試みていると述べた。

地元メディアによると、多くの国民がギャングの支配地域への立ち入りを避けて生活しているという。400マウォゾの支配地域の近くで生活している男性はAP通信に、「私を含む近所の住民はほとんど外出しない」と語った。「いつ誘拐されるか分かりません。私たちは助けを必要としていますが、支援を届ける人々のもとにたどり着けません...」

先週ハイチを訪問した米国の高官は、ギャングの暴力を抑えるためにハイチ国家警察に1,500万ドル(約17億円)を提供すると約束した。

2021年8月17日/ハイチ、西部レ・カイの避難所(Getty Images/AFP通信)

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