◎事件は23日夕方に発生。武装ギャングがポルトープランス近郊の教会で開催されていた青年グループの集会に押し入り、数人を誘拐。その後、少なくとも3人を殺害した。
ハイチ、首都ポルトープランス、武装ギャング「G9&Family」の戦闘員(Matias Delacroix/AP通信)

ハイチの首都ポルトープランスで誘拐事件が発生し、正体不明の武装ギャングが米国籍の夫婦を含む3人を殺害した。現地メディアが24日に報じた。

それによると、事件は23日夕方に発生。武装ギャングがポルトープランス近郊の教会で開催されていた青年グループの集会に押し入り、数人を誘拐。その後、少なくとも3人を殺害したという。

ハイチ国家警察の労働組合書記長はAP通信の取材に対し、「米国人を含む3人の遺体は路上に放置されていた」と語った。

報道によると、犯行声明を出したギャングは確認されていない。

国家警察はこの事件に関するコメントを出しておらず、ギャングを追跡しているかどうかも不明である。

APによると、殺害された米国籍の男性はミズーリ州議会議員の息子。この議員はフェイスブックに声明を投稿し、「亡くなったのは息子とその妻である」と明らかにした。

3人目の犠牲者の身元は明らかになっていない。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。

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