エルサルバドル大統領、刑務所での暴行・拷問疑惑を否定

3月以来、エルサルバドルは米国から300人近くのベネズエラ移民を受け入れている。
エルサルバドル、米民主党のバン・ホーレン上院議員(右)と刑務所に収監された男性(Chris Van Hollen/ABCニュース)

エルサルバドルのブケレ(Nayib Bukele)大統領は3日、米メリーランド州在住のガルシア(Kilmar Abrego Garcia)さんがエルサルバドルの巨大刑務所で暴行や拷問を受けたという主張を否定した。

ブケレ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「彼は拷問を受けておらず、体重も減っていない」と述べ、ガルシアさんが拘置室にいる写真と動画を添付した。

またブケレ氏はこう強調した。「もし彼が拷問を受け、睡眠不足にされ、飢えさせられていたなら、なぜこんなに元気そうなの?」

3月以来、エルサルバドルは米国から300人近くのベネズエラ移民を受け入れている。その中にトランプ政権が誤って送還したと認めたガルシアさんも含まれていた。

トランプ(Donald Trump)大統領はこの送還をめぐり、複数の法廷闘争に直面している。

ガルシアさんは先月、米国に戻った後、複数の容疑で起訴された。

現地メディアによると、ガルシアさんは2日に提出した裁判書類の中で、エルサルバドルの刑務所で激しい暴行や心理的拷問を受けたと主張したという。

ガルシアさんはエルサルバドルに送還後、何度も暴行を受け、別の囚人と一緒に一晩中跪かされ、眠気に耐えられなかった者は警備員に殴打されたと述べている。

トランプ政権は3月中旬、1798年に制定され、第2次世界大戦中に日系人の強制収容で使われたことで知られる敵性外国人法に基づき、ベネズエラのギャング「トレンデアラグア」の構成員とされる約250人をエルサルバドルの刑務所に送った。

3月末にはエルサルバドルのギャング「マラ・サルバトルチャ(通称MS-13)」のメンバーもエルサルバドルに強制送還した。

米国務省は2月、トレンデアラグアやMS-13など、中南米の8つの麻薬組織を「外国テロ組織」に指定した。

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